「事前の相続税対策ならすでに顧問の税理士に相談したし、対策もして貰ったから大丈夫」
そうお考えの方でも、ちょっとお待ちください。
その対策はいつ行われたものですか?或いは、その対策をしてからも見直しはされてますか?
ご承知のとおり税制は毎年、何かしらの改正を行っています。
相続税もその例外ではなく、本年の改正のようには大きくなくても、毎年、少しずつの改正を
行っています。
よって、例えば10年前、5年前に行った対策が必ずしも現在、或いは今後も有効であるとは
限りませんし、仮に有効だったとしても効果が下がり、もっと別の対策をした方が有効と
なることもあります。
例えば、平成22年までは雑居ビルを建築してその一部に自宅を設け、そのビルを配偶者に
相続させるなどの対策が有効な手段としてありましたが、現在ではその対策も効果が大幅に
縮小してしまっています。
このように、数年前でも対策として打った手が現在でも同じだけ有効かというと、必ずしも
そうではないのです。当然、次の対策を講じる必要がありますが、その後の見直しがされて
いないとすれば、今後に問題が生じる可能性があります。
また、書店で販売されている相続対策を記載した書籍にも注意が必要です。
改正の度に常に改訂され、版を重ねているものであれば信頼性はありますが、初版が出てから
数年以上経過しているのに、改訂されていないものについては、もはや通用しないような
対策が堂々と記載されているかもしれません。
このように、事前の相続対策は税制に合わせて適宜変えていかないといけません。
数年以上前に行っている場合には、今後に向けた見直しを行って頂いた方が良いと思われます。