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相続対策に自分の会社に建物を貸してますが

「個人所有の建物を、自分の経営する会社に貸している。」という会社経営者の方も、
少なくないと思います。

そもそも個人所有の建物を自分の経営する会社に貸すこのパターンは、次のような過程から
生じるケースが多いと思います。
 ① もともと個人事業でやっていたが、会社を作って法人成りした。
 ② 会社を作った当初は無償で個人から借りる形にしていたが、業績が良くなり
  賃借に切り替えた。
 ③ 会社所有にしたいが、会社の資金繰り的に無理があるためそのままにしている。
などです。

ご承知のとおり、会社と経営者個人は別人格ですから、会社を作れば会社の営業拠点と
なる場所が必要ですが、いきなり建物を買ったりは通常できませんので、他人や他社から
賃借するか、或いは経営者の個人所有の建物を借りる形になります。
そして、他人や他社から賃借しないとすれば、経営者は大家さん、店子が会社という
関係になる訳です。
しかもその場合の家賃は、必ずしも世間一般の相場と同じレベルの金額とは限らず、
それより大幅に低かったり、或いは無償である場合も少なくありません。
それは自然なことと言えば自然なことです。
会社の業績があまり芳しくないのに、世間一般の相場並みに家賃を取ってしまうと、
更に会社の業績が下がってしまいますし、何より資金繰り面も上手くいかなくなる。
しかし、そのように無償或いは無償にほぼ近い金額で会社に建物をかしている場合、
相続税の世界では、マズイ問題も生じてくる場合があります。

例えば、ある会社経営者Aさんという方がいたとします。
Aさんには、自分が100%出資して作った会社Z社があって、Z社はAさんから
Aさん宅の1階部分を借りて会社の営業所としていたとします。
(2・3階部分は自宅として利用。)
ただ、ここのところ若干、業績が良くないので、1年ほど前から、Z社からは
家賃を貰わないようにしています。

このような状態でAさんが亡くなりますと、この宅地のうち、建物の1階部分に
応じた面積部分は小規模宅地等の特例の適用がありません。
仮にこの土地の相続税評価額が6,000万円で、土地の面積が180㎡、建物の1階
~3階までが同じ床面積とすると、6,000万円の土地のうち、120㎡までの部分、
4,000万円部分までしか小規模宅地等の特例の適用はありません。
減額できるのは3,200万円まで、全部が自宅として減額できる場合(4,800万円
の減額)に比べて、1,600万円も評価額が増えてしまいます。

一方、世間相場レベルで賃貸している場合には、そもそも小規模宅地等の特例
適用前の土地の評価が5~7%ほど下がる(300万円~420万円)ほか、小規模
宅地等の特例で約4,000万円程度(幅があります)の減額が可能となるため、
全部が自宅として減額できる場合(4,800万円)に比べ、400万円程度の増額に
抑えることができるのです。
もちろん、賃貸することにより個人資産は増加しますが、一方で保有している
会社の株式の評価は下がりますし、単純にこれだけでどちらが有利と必ずしも
判断ができるものではありません。
ただ、会社に貸しているからと言って、相続税対策になっているということは
必ずしもありませんので、注意は必要です。

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