クイズ型式で恐縮ですが

例えば、夫Aさんと、妻Bさんのご夫婦のもとには、二人の子(CさんとDさん)がいたとします。
このうち、子Cさんは既婚者でしたが、何年か前に妻Eのさんと離婚していますが、CさんとEさんの
間には18歳になる子のFさんがいます。
FさんはEさん方に引き取られて以来、殆ど疎遠になっています。

親族図表1_01

その後、AさんBさんよりも先に、不慮の事故で子Cさんが亡くなってしまいました。
この場合、誰が相続人になるでしょうか?

正解は亡Cさんの子Fさんのみとなります。
Fさんの他に、父母にあたるA・Bさんがなるとか、兄弟であるDさんがなるなどの
誤解も少なくありませんが、この場合はFさんしかなれません。

相続人になれる者

人が亡くなると、その人の相続人は誰がなるのかは、民法により次のように定められています。
・亡くなった人に配偶者がいる場合には、配偶者は常に相続人になります。
・配偶者以外の血族(血のつながりがある者)については、
 ①子
 ②直系尊属(父母、祖父母など)
 ③兄弟姉妹
 の順で相続人になります。

今回のケースでは、Cさんは離婚後再婚した相手がいないので、配偶者はいません。
よって、亡Cさんの血族の中で第一順位となるFさんが相続人となるのです。

一般的な感覚とズレがある場合も

ここからは想像力を働かせて頂きたいのですが、例えば、亡Cさんは死亡直前に、
父母ABさんや兄弟のDさんと同居していたかもしれません。
つまり、普段いっしょにいる家族、と言えるのは、むしろA、B、Dさんの方に
なる訳です。
でもCさんが亡くなると既に疎遠となっているFさんしか相続人になれない状況
というのは、人によってはずいぶん不合理だなぁ、と感じてしまうかもしれません。
でも、ルールはルール。それをどうにかすることは不可能です。

もし、このような場合に、疎遠になっている者に財産の全部が行ってしまうのは
気持ちの面で納得いかないというなら、遺言を活用する方法もあるにはあります。
ただ、そうは言ってもCさんからすればFさんは自分の子ですから、Cさん本人が
Fさん以外の人に財産を分けたいと思う場合なら遺言を活用できますが、
そうでないなら、遺言自体も作成することはないでしょう。

民法のルールは、時として普通に暮らしている一般人の方々の感覚とは
少し違う場合がありますので、ご注意下さい。